ハンデがあるから越えられる
人として、欠けている所があると、自覚できるから、
時を経て円熟していけるのだと信じたいです。
不器用だから、ハンディキャップがあるから、
乗り越えようとして、新たな世界が見えてくるのだと信じたいです。
壁にぶつかり、越えたいと思って試行錯誤するから、
新たなレベルに到達できるのだと信じたいです。
器用に生きられる。あるいは、障害にも会わずに生きられる間は、
「世界ってこんなもの」と思い、
それ以上の何かがあるとは、思わないでしょう。
(器用貧乏)(温室育ちの脆弱)
自分に起きる出来事に、自分はすべて対応できる。すべて想定内。
今の自分のレベルのままで十分だと思い、
違うレベルの世界があることに気づかない。
あるいは、気づきそうになっても、
これを見下すことで、自分の満足感を守ろうとする。
これは、哲学者や宗教家が言う、「足ることを知る」(知足)の心とは、
言葉は似ていても、中身は全く異なるものです。
簡単に体験できる例を紹介しましょう。
大抵のパソコンに「マインスイーパ」というゲームソフトがありますね。
初級や中級なら、何度も試行錯誤をしているうちに、
要領がつかめてきて、ある程度勝てるようにます。
ところが、上級に移ると急に勝てなくなります。
100回やっても1勝もできない壁に突き当たるでしょう。
それでも試行錯誤しているうちに、
数字の並び方と地雷の位置関係に、定石があるのが分り始めます。
これで勝てるようになり始め、一つの壁を乗り越えます。
定石が全て分ると、勝率は3割位まで行けるでしょうが、そこでまた壁に突き当たります。
それをも超えようと試行錯誤しているうちに、各盤面ごとに癖があるのに気づきます。
あたかも日本庭園のように、盤面ごとの趣があります。
混沌とした中にも魂が宿っているかのようです。
恐らくカオス理論やフラクタルが多少なりと適用できるゲームなのでしょう。
これが見えてくると、カンが働くようになり、
勝率は3割の壁を越えることができます。
参考までに、私は上級で100回やって、現在44勝です。44%の勝率です。
これは、単なるゲームですが、世の中で実際に起きている駆け引きや戦略のほとんどは、
ゲーム理論で説明することができます。
ゲームも、馬鹿にはできません。
世の中、それぞれの分野に特有のルールや定石はあるでしょうが、
ルールや定石の更に向こうに、創造的感性の世界が、奥深く広がっているはずです。
世間の風が冷たくても、簡単には諦めたくありません。
努力や試行錯誤を続ければ、その壁を乗り越え、
きっと新しい世界が見えてくると信じたいです。
迷路に迷い込んでも諦めたくありません。
きっと大所、高所から、迷路を眺める視点を見つけ、
全体の地図を描けるようになると信じたいです。
障害やハンデがあっても悲観したくはありません。
人様より早めに壁に当たるだけの事で、
きっと壁を乗り越えて、
違う世界を知ることができると信じたいです。
生まれついたハンデは、親の責任ではありません。
ハンデがあっても乗り越えようとする気力、
これを育てるのが親の責任です。
参考書籍
ゲーム理論の思考法 1997年 嶋津祐一著
マインスイーパのルール
ルールはとても単純。
枡目の中に、決まった個数の地雷が隠れています。
ゲームのスタート時点では、枡目は一つも開いていません。
左クリックするとその枡目が開きますが、
開いた枡に地雷があると、それでゲームオーバーと言うもので、
時間制限は無く、とにかく地雷を避けて全て開ければ勝ちと言うルールです。
一つの枡目に接している地雷の数がその枡目に表示されており、
枡目に接する地雷がないときは、その枡は空白になっています。
地雷有りと判断できた枡には、右クリックで旗を立てます。
マインスイーパ上級で勝った状態の画面
|