・・・・・魂のルネッサンス 心と魂の解放 ・・・・・
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戦後体制の改正に向けて


憲法9条改正がなかなか難しい。
ならばと、ぶち上げた96条改正も難しい。
そこで登場したのが、憲法解釈の変更で集団的自衛権。
戦後レジームからの脱却。

しかし、ややもすると、
『大東亜戦争のとき、日本の戦争目的には正義があった。』とか、
『大東亜戦争は、植民地支配からアジアを解放する聖戦であった。』とか、
そんな議論にそれて行ってしまう。

かつての連合国や、かつての反政府の系譜を受け継ぐ勢力は、
そんな議論にそれて行くことを許さないとばかりに、
『自分達こそ正義。当時の日本軍と政府は悪の巣窟だった。』
と言う議論に持っていこうとしています。

このままでは、にっちもさっちも、身動きの取れない膠着状態になるだけで、
何の進展も出来ないばかりか、日本に対する警戒感を高めるだけで終わるでしょう。
何の国益にもならない議論です。

『急いては事を仕損ずる。』と言われます。


【日本は、まだ半独立国】

日本の敗戦や占領支配を悔しがる気持ちも、少しは、分かるつもりです。
私の叔父は、ベニヤ板で作り、爆弾を積んだボート(震洋)に乗って、
敵艦に向けた特攻に挑むなかで戦死したとのことです。

特攻で戦死した方々は、「聖戦」だとか「正義」だとか、
そんなものの為に戦った訳ではなく、
唯々、愛する人達を想い、むごたらしく蹂躙されるのを食い止めようと、
身を捨てて、盾になろうとしたのだと、私は思います。

日本が、まともな独立国でない事は確かです。
普通の独立国並みになりたいと思う気持ちも、分かる気がします。

憲法前文の中の文言、
『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
われらの安全と生存を保持しようと決意した。』
これは、連合国軍の占領支配という抑圧の下で作成された憲法です。
他国の軍事占領支配という異常さを正当化し、
さも、民意に基づいて委託された軍事占領であるかのように、
言いくるめる欺瞞の文言です。

大半の日本国民は、これを「平和憲法」と見なすよう、洗脳されています。
この前文は、平和憲法と言うより、占領支配正当化憲法です。
この前文によれば、まだ占領支配が続いているようなものです。
憲法に手を付けるなら、何を差し置いても、先ずこの前文から改正しなければ、
まともな独立国とは言えません。
                                         
ところが、アメリカの政治・軍事中枢部は、いまだに本気で日本の半占領を保とうとしています。
中枢部の多数派は、日本から永遠に自主防衛能力を剥奪し、独立させまいと考えています。
中国が軍事力増強を今のペースで進めて行けば、10年後にはアメリカを追い抜きます。
チベットのようになりたくなければ、日本は自主防衛能力を高め、中国に備えるべきです。
 参考: アメリカと世界はどうなる[桜H26/3/20]
     米華同盟、日本列島を食い苛む西部邁ゼミ 2013年7月27日放送
     日米関係の真実[桜H23/4/21]
     自主防衛を急げ、日下公人氏に聞く[桜H23/5/5]
     ミサイル迎撃用レーザー砲発電所
     中国共産党は、人民解放軍の暴走を押し止める力を失っている
                              ・・・・・・(以上10行2014年6月12日追記)
しかし、急いては事を仕損じます。


【稚拙な猪突猛進】

高ぶった気持に駆りたてられて、猪突猛進しても、
かえって混乱を増幅し、壁が厚く固くなるだけです。

どこから、どんな順番で、手を付けて行ったら良いか、慎重に見極めるべきです。
押しの一手では、突破できません。
少々の回り道くらいでは、小賢しく、滑稽に見えるだけです。
周辺国の不安を誘い、反日勢力を勢いづかせるだけです。

押しの一手で成功した体験があるからと言って、いつも上手く行くとは限りません。
むしろ、マグレ当たりのような、確率の低い成功であったり、
本人の知らない所で、誰かが気を回して、計らってくれたお蔭かもしれません。
あるいは、その成功の陰で、誰かが犠牲になっているかもしれません。

大東亜戦争の誤りは、世界秩序の完成形を描けぬまま、
目先の損得に釣られ、成り行き任せの迷走の末に、
中国との戦端が開かれ、拡大していった事。
そして、この迷走の末に、対米戦争に突入してしまった事。
 参考 『柳条湖事件』、『盧溝橋事件

苦労知らずで出世した人、挫折知らずで出世した人には、
袋小路に迷い込もうとしているのが、分からなかったのかもしれません。
「地盤、看板、鞄」を誰かから引継いで議員に当選した方々や、
その時その時の、世間の空気、風の勢いで当選した方々、
学校を卒業した時の成績で、後々の出世まで約束された方々、
そうした人達が、政府や軍隊の中枢で威張っていたからでしょうか?

日露戦争の時、指導的立場で苦心した人達は、とうに引退し影響力を失っていました。
軍を実質的に動かしていたのは、日露戦争の時はまだ少年だった人達です。
勝利とは名ばかりで引き分けに近かった事を当時の国民は理解していませんでした。
勝利に酔い、戦争賠償の少なさに憤っていた空気が、少年の心にも刻まれたことでしょう。

中国との戦端が開かれ、拡大していった当時、
軍を実質的に動かしていた人々には、本当の意味の深謀遠慮はありませんでした。
そして、国民もまた、短絡的な空気に流されていきました。

大東亜戦争の酷さを味わった人達は、今はもう引退してしまいました。
日中戦争にのめり込んでいった時の人達と似たような人達が、いま再び威張り始め、
短絡的な国民が増えようとしています。
またしても、あの時のような袋小路に猪突猛進していくのでは?
と、心配でなりません。


【深謀遠慮】

短絡的に動いたら取り返しがつかなくなる事もありますね。
このことを、誰にでも納得してもらう必要があります。
簡単に疑似体験する方法もあります。
複雑な実社会も、一部の性質だけ疑似体験するのであれば、
ゲームに置き換える事も可能です。

押しの一手が通用しないゲームの一例として、「フリーセル」は如何でしょう?
ウィンドーズがインストールされているパソコンには、オマケで付いているはずです。

縦横無尽にこんがらがった糸を慎重に辿りながら、
少しずつ根気強く、最終的な完成形に近づいていくよう、
もつれを解きほぐしていくような、カードゲームです。
人間関係や国際関係のもつれた糸を解きほぐしていくのにも似ています。

なかなか解けないパズルのように感じるかもしれませんが、
実は、このパズルは100%解けるように出来ています。
嘘だと思う方は、「元に戻す」のボタンを使ってみてください。
行詰ったら、「元に戻す」を繰り返しているうちに、必ず解けます。

コツが分かって来ると、慎重に何手も先を読んだり、
ネックになる部分を予め見つけておいたり、
ギリギリでも進める道を見つけたり、
そうすることで、「元に戻す」のボタンを使わずに、パズルが解けるようになります。

何処から手を付けたら良いか、多分1つだけとは限らないでしょうが、
手を付ける所を間違えてしまうと、にっちもさっちも進めない膠着状態に陥ります。
途中の進め方も同様で、一歩間違えると、やっぱり膠着状態に陥ります。

ゲームなら、簡単に元に戻せますが、現実の世間、世界では、こうは行かないですね。
元に戻すには、また、何ヶ月も何年も何十年も回復の努力が必要になります。

だから、最終的な完成形を思い描いた上で、
慎重に、何手も先まで読んで、手を進めて行かないと、
もつれた糸は解けません。

完成形を目指したとき、どこが避けて通れない一番の難関になりそうか?*
どう進めたらその難関を突破する環境が整って行くか?*
身動きが取れるよう、余裕を残しながら手を進めて行く道はどちらか?*
余裕のないギリギリで進まざるを得ないときは、先の方で必ず余裕が生まれるか?*
こうした事に自問自答しながら、慎重に次の手を選んでいきます。*
辛抱強く、多方面から考え、これを整理して決断していきます。*

辛抱できなくなり、相手がどうであれ、自分の流儀を押し通し、*
力ずくで、糸のもつれを断ち切ろうとするのが、
現実の世界でいえば、武力弾圧や戦争です。*

最終的な完成形が描けないと、始めから迷走してしまうので、話にもなりませんが、
完成形が描けたからと言って、それに向けて猪突猛進してもダメですね。

最終的な完成形の為なら、慎重に辛抱強く、手を進める必要があります。
時と場合によっては、大変な回り道になるかもしれません。
でも、大東亜戦争と言う重く苦い経験を教訓にした日本国民は、
こうした回り道にも、辛抱強く耐える事ができるはずです。
                              (「*」印の行、2014年3月29日追記・修正)
【完成形に向けた糸口】

アメリカンスタンダードの資本主義は、地球規模で持続していくのは無理です。
皆でアメリカ人と同じように暮らしていくには、地球環境が持ち応えられません。
強欲に富を奪い合い、ごく一部の者に富が集中していく仕組みなのです。
つまり、富の一極集中を進める結果になります。

世界には、不満と紛争の火種がくすぶり続け、
刻々と時間切れが迫る、時限爆弾を幾つも抱え続けることになります。

もっと違う完成形、持続可能なグローバル・スタンダードがあるはずです。
 参考 『<質の経済>新たな資本主義の段階

しかし、そこへ至る道のりには、様々な障害が待ち受けている事でしょう。
障害の一つは、反日勢力による情報操作、反日宣伝活動です。

日本という国の国柄(人に人柄があるように、国には国柄があります)は、
世界にも稀な成り立ちをしています。
 参考 『古事記の解釈・編纂方針と背景
 参考 『日本の強さの背景』 ・・・・・・・・・・(2014年5月21日追記)

そのため、日本の善意が理解できない国々も沢山あります。
底意地の悪い解釈をしたり、素直に受け取れなかったりします。
あるいは、日本の善意を、国民に知られぬよう、覆い隠す国もあります。

日本は今、平和を愛する国、公平と信義に厚い国です。
この点では、恐らく世界中のどの国にも引けを取らないでしょう。
これからも世界の国々に、このように認められ続けることは、
とてつもなく大きな、信用という財産になります。

日本という、まことに小さな島国、
大東亜戦争でコテンパンに叩きのめされた島国が、
このような大きな財産を持っているのが気に入らず、
何かと難癖を付けてくる国々もあります。

だからと言う訳でもありませんが、
子々孫々に渡って、この信用と言う財産を手放さぬよう、
家訓のように書き残した方が良いと、私は考えます。
世界に向けた宣言として、反日宣伝の疑念を払しょくすることにもなるでしょう。

書き残す場所は、日本国憲法の前文です。
戦後体制の改正に向けた糸口は、憲法前文の改正からです。
 参考 『憲法改正は前文から
 参考 運命は変えられる・・(2014年4月27日追記)





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